人が生活習慣病を予防し、健康を維持するためには、適度な運動やバランスの取れた食事摂取といった習慣付けをすることが重要だ。また、身体機能の状態を把握するため、定期的なメディカルチェックも欠かせない。生活習慣病には症状が顕著に現れないものもあるため、自覚症状が無く本人が健康だと思っていても、定期的にチェックを行う必要があるのだ。メディカルチェックは、問診や診察をはじめ、身長や体重の測定から、血液検査や心電図検査まで多岐にわたる。
問診では、服薬や既往症に加え、異常を感じる部位が無いかを質問される。心音や肺の雑音を聴く聴診や腹部のシコリなどを見つける触診もある。目や皮膚など細かい点もチェックし、変色や腫瘍などが無いかも見られる。
身長と体重を測定すると、腹周りの数値とともにBMIと呼ばれる体格指数が算出され、肥満度の目安が出される。BMIの結果次第では、適正体重に向けた指導アドバイスを受けることになる。血液検査では、糖尿病や感染症の罹患をはじめ、コレステロール値や血糖値から、肝機能や腎機能まで幅広い数値が出される。
尿検査では、血尿や尿蛋白の有無で腎臓や前立腺の異常を確認することになる。血圧測定では、片腕の測定だけでなく四肢の血圧を同時に測定し、動脈硬化の度合いを点検することも多い。必要なら、X線検査やMRI検査なども行うことになる。そして、高齢者を対象にしたメディカルチェックでは、関節の柔軟性や変形の具合、場合によっては筋肉の萎縮度もチェックすることがある。
体質の他、性別や年齢、職業によっても、かかりやすい病気は異なってくる。気を付けるべき病気を把握し、気になる点を医師に伝え、メディカルチェックにかかれば、より正確に身体状況を把握することができるだろう。